ていねい書店

うるうる
変わり続けるじぶん、変わらない関係。

誰からもよく見られたいし、好かれたい。そんなぼくは、いつしか嘘を重ねるようになっていた。

教室の中心で、全く興味のない話でも、あたかも大好きかのように振舞って・・・だってそうすれば、人気者になれると思ったから。

だけどそれが裏目に出たのか、一部のクラスメイトとは疎遠になってしまった。

どう振舞えばよかったんだろう・・・だんだん気が滅入って、学校に行く足も重くなる毎日だった。

そんなぼくを救ってくれたひとりの友人。どんなときも、どんなぼくも、変わらずに接してくれた。

あの頃から11年。
ちょっといい時計が買えるようになったし、お酒だって交わすようになった。
きっといろいろ変わったんだけど、今も変わらず隣にいてくれているアイツ。

嘘のないこの関係性を、ぼくはずっと大切にしたい。

言葉:藤本康太
イラスト:許育誠

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