
「その手があったか。」
新しい企画を考えていたとき、
ほかの事例を見て、何度もそう思った。
「これ、おもしろいな。」
「この要素、取り入れてみたい。」
おもしろい。けど、ちょっと悔しい。
自分で思いつきたかったから。
それでも、いいものはいい。
だったら、ちょっと借りてみよう。
自分の案に、ひとつ足してみる。
「あ、さっきよりいい。」
ひとつ、またひとつ借りてみる。
誰かのアイデアだったり、
どこかで見た工夫だったり、もらったひと言だったり。
進むたびに、自分になかったものが少しずつ増えていく。
気づけば、最初に思い描いていたものとは違うものになっていた。
でも不思議と、最初の案より、ずっと好きだ。
そうやって増えたものを、自分の色に重ねていく。
最初から、全部持っていなくていい。
足りないものは、進みながら見つけていけばいいんだ。
言葉:藤本康太
イラスト:Steve* 櫻井 まこ
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