
“尖っていなきゃ生き残れない”
どこかで聞いたその言葉を真に受けて、自分にしかない何かを、必死に探してた。
多様性だとか、個性だとか、自分らしさとか。
どれも大事なことはよくわかる。
わかるけど、なんだかしっくりこない。
自分だけの強さや輝きを見つけたい気持ちはあっても、“尖り”というものが、自分には程遠いような気がしてならない。
そんなとき、ふと思い出したことがある。
ラムネ瓶の中に入っている、まるいビー玉。
ほんのり色が入ったガラスの玉は、光に当てると、思いがけない色で輝いたりして、きれいだったな。
特別な形はしていなくても。
でも、ちゃんと輝いてた。
だったら私も。
無理に尖ろうとしなくても、誰かの光を受けながら、何通りにも輝けるかもしれない。
よし、決めた。
まるいままで、生きていく。
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